『和巧絶佳 令和時代の超工芸』展・パナソニック汐留美術館 [世界の美術館&博物館]
4年程前に上野の東京藝大美術館で開催された“驚きの明治工藝展”を拝見して、その工芸技術にビックリさせられました。明治政府が外貨獲得のために当時の超絶技術を駆使して制作された工芸作品で、輸出用だったために日本国内にはほとんど残っておらず、さらには制作した職人が弟子を取らなかったためにその技術が継承されずに現在では制作不能となっております。
そんな明治工藝の作風を感じさせる展覧会が行われました。
1970年代以降に生まれた作家たち12人、年齢で言えば30代から40代の若さで作り上げた作品が鑑賞できました。
作家の皆さんのプロフィールを拝見すると、工芸職人に直接弟子入りしたり、美術品の修復作業を通して制作の面白さにはまったり、はたまた芸大で基礎を学んでから制作を始めて今では講師となり教える立場になったなど様々ですが、皆さん子供の時からモノ作りが大好きだったようです。
磁器、ガラス工芸、螺鈿に蒔絵、さらにテキスタイルまで、12人それぞれの個性あふれた見事な作品群が展開されます。その精緻で緻密な出来栄えには、驚きを越えておもわず笑みがこぼれてしまいます。
展示された作品ひとつを仕上げるのにどの位の労力と時間を費やしたことか!…、想像を絶してしまいます。先人たちが作り上げた明治工藝品と全く遜色はありません。
12人それぞれの今後に期待と注目です。半世紀後、いや四半世紀後の作品を拝見したいものです。年齢を重ねてどのような作品が登場するのか楽しみでなりません。
しかしながら私のからだがもたないでしょうね、現在70の年寄りですので…。応援はしておりますので今回を越える作品をどうぞ制作なさってください!!
映画『宇宙でいちばんあかるい屋根』丸ノ内TOEI [お気に入りの映画]
NHKのTVドラマ「あさが来た」、「透明なゆりかご」、「蛍草 菜々の剣」などに出演した清原果耶さんの演技力に注目していたところ、初の主演映画が公開されて早速見てきました。(9月14日 有楽町・丸の内TOEI 2)
事前の下調べなど全然ない状態での鑑賞でした。ただ単に清原果耶さんの演技を大きなスクリーンで楽しみたかっただけで…。
邦画としては珍しい実写版のファンタジー作品です。たっぷりと時間と予算を費やした欧米のファンタジー映画のような派手さは全くありませんが、なぜか胸に迫り心に残る作品に仕上がっています。
多感な女子中学生を演じる清原果耶さんは、まるで地を素のままで演じているような透明さがあります。セリフの少ない分を、しっかりとした演技力でカバーしていることが感じられます。
この春に高校を卒業したばかりで、今後は女優業をまい進するそうですが大いに楽しみです!
さらに心が揺さぶられた事は「桃井かおり 健在!」です。ここ久しく桃井かおりさんを拝見しておりません。
実は私と年齢が同じで誕生日はたった二ヶ月しか違いません。来春には70歳になります、考えられない!…
意味深な老婆役は実に最適、年輪が増えてさらにビッグに、いやグレートな「桃井かおり」さんにも拍手喝さいです。
新旧ふたりの“女優力”がスクリーンから伝わる作品です、やはり映画って最高!!…
映画『パヴァロッティ』TOHOシネマズ日本橋 [お気に入りの映画]
三大テノールのひとりとして有名なルチアーノ・パヴァロッティのドキュメンタリー映画を観てきました。
当初の公開予定は6月5日でした。
コロナのお陰で9月4日まで公開が延びてしまいました。
オペラ好きでパヴァロッティのファンとしては待ちに待った公開です。
Dolby-ATMOSで蘇らせた音響を期待して、9月7日「TOHOシネマズ日本橋・スクリーン8」での上映を鑑賞しました。
映画館はしっかりとした感染防止策が施されており、観客もマナーを守っての鑑賞です。
驚きの連続でした。
まず、最新のDolby-ATMOSで蘇らせた音響・歌声です。まるでLIVE会場で聴いているような迫力と生々しさ
なのです。パヴァロッティの艶と張りのある声量の心地良いこと、心地良いこと…! 上映中、ずぅっ~と聞き惚れていました。
続く驚きは家族が撮ったプライベートなホーム・ビデオです。
映画冒頭は、アマゾンの奥地で100年前にエンリコ・カルーソーが歌ったと言われる劇場で歌いたくて1995年に訪問するシーンから始まり、その時のビデオが紹介されます。映像はともかく、はっきりとした音声が残されており、その新鮮さにビックリします。二十数年前に撮る方も大変だったと思われますが、よくぞ残してくてたものです。
映画ではその後、かなりのホーム・ビデオの映像が紹介されます。奥様が撮影した映像は、有名な歌手の記録ではなくてひとりの父親の記録となっており、普通の人間としてのパヴァロッティが残されております。
現在は財団となっているパヴァロッティ・ミュージアムの全面協力があってのこの作品です。
人間パヴァロッティに、男パヴァロッティに、そして歌手パヴァロッティに、拍手喝さいです。観て良かった、益々パヴァロッティが好きになりました! ありがとうパヴァロッティ…!!
『The UKIYO-E 2020』展・東京都美術館 [世界の美術館&博物館]
9月1日、上野の東京都美術館で浮世絵のコレクション展『The UKIYO-E 2020』を鑑賞してきました。
会場はコロナ対策で日時指定の入場制を行っており、開場間近の早い時間を登録しました。
当日朝の上野公園は人影もまばらで、美術館入口も並んでいる人はおりません。
この展覧会のサブタイトルに“日本三大浮世絵コレクション”とあります。
これは、東京・原宿の『太田記念美術館』(収蔵コレクションは1万2千点余)、長野・松本の『日本浮世絵博物館』(10万点以上)、さらにリッカーミシン創業者の平木信二氏が戦後に海外へ流出した作品を買い取るなどをした『平木浮世絵財団』(6千点余)の中から厳選された約450点が出品・展示されております。
18世紀から19世紀にかけて制作された作品群です。今から約250年前の作品などの保存状態は良好ですが、時間と共に彩色は褪せて紙肌は黄ばんでおります。それでも当時の人々は刷り上がった色鮮やかな浮世絵にどれほど興奮したことでしょうか、想像してしまいます。さらに、今日の保存施設の素晴らしさにも…。
これまでに“北斎展”や“写楽展”、“国芳展”など個々の浮世絵師の展覧会を訪れて多くの作品を鑑賞したつもりでおりましたが、考えが甘かったです。初めて見る作品のなんと多いことか!
入場制限で場内は混雑していないものの、450点余りを鑑賞するのに3時間近くもかかってしまいました。重要文化財や重要美術品を間近に鑑賞できたことに感謝、感謝、です…!
『東京スカイツリー』初訪問 [国内旅行]
開業8年目となった『東京スカイツリー』を初めて訪れました。
我が家のベランダからも見える近さですが、いつでも行かれるとの思いと、大人ひとり¥3000以上の料金なのでこれまでためらっていました。訪問するきっかけはこの夏休みに設定された“東京都民50%OFF”のキャンペーンです。
平日(月曜日)を選んで出かけましたが、夏休みの家族連れで大変な賑わいでした。午前11時頃に行ったものの当日券を購入する整理券をまず貰います。購入の指定時間は15~15時半です。
仕方ないので先ずは腹ごしらえです。
丁度お昼の時間でレストランはすべて長蛇の列、最終的にはフードコートで空席を探す羽目となりました。結構な“密”状態ですが空腹には勝てません。
入場券を購入するためにさらに並びます。
ようやく地上350mの“展望デッキ”へ向かいます。最新のエレベーターの速いこと速いこと、おまけにほとんど音も振動もありません。感動物です!
さらに地上450mの“展望回廊”に上がります。
一般の入場者が行ける最高到達点は451.2mです。
展望デッキ、展望回廊には3か所で記念撮影ができます。それぞれでカード式の写真は無料です。
350mの展望デッキと340mのガラス床で撮影、頂戴した写真カードです。
午前中に訪問したものの混雑のため帰りは夕方になりました。
年寄りでも興奮するほどの楽しさを味わい、久々の“遊び”を堪能した一日となりました…