ミュージカル『ミス・サイゴン2022』帝国劇場 [演劇・舞台]
2020年春、ミュージカル『ミス・サイゴン』新演出版の日本上演が決定。前売り券も完売して、稽古も始まっていましたがCovid19のパンデミックにより公演すべてが中止となってしまいました。
払い戻しよりも舞台を観たかった!、その気持ちの大きさが今でも記憶にあります。
2年後の2022年夏、ごく一部のキャストに変更がありましたが2020年版が復活上演となりました。
先行予約抽選ははずれ、前売り開始日のネットもなかなかつながらず、評判の高さを思い知らされます。
ようやくネットがつながりチケットを購入。
2022年8月27日、大きな期待を胸にして訪れた帝国劇場です。
オープニングからビックリ!
オーヴァチュアのオーケストレーションに大幅な手が加えられており、初めて聴くサウンドの中でヒロインのキムが冒頭から登場する演出に変更されております。
どのような展開、演出なのか期待が膨らみます。
舞台美術の大幅な変更に、人力による舞台転換、しかもスピードは途切れず、ストーリーの緊張感は維持されたままです。
(30年前の日本初演時に、主役を演じた本田美奈子さんが舞台セットに足を挟まれて大けがをした事故など考えられない舞台美術&転換です)
アンサンブルを含めてキャスト皆々さんの熱演は賞賛すべきです。
印象に残るシーン、演技は多々ありますが、中でもACT.2のサイゴンのアメリカ大使館の門扉シーンはこれまで以上に凄まじさが増しました。押し寄せる民衆と入館を防ぐ米国職員との騒動を、門扉のこちら側と向こう側を扉の移動で見せる演出ですが、扉の移動回数がこれまで以上に多くなりその分キャストの皆さんが走り回る距離が増えて大変な思いをしていると思われます。ただ臨場感もその分増えており一糸乱れぬアンサンブルは見事です!
さらには実物大の軍用ヘリが登場して、映画並みのスペクタクル・シーンも堪能できます。実際にヘリを登場させるのは、今では日本だけで海外では映写による演出に変更されているとの事で、劇場の設備や機能をフルに使用して経費も多大な事に思えますが、この作品を観劇する喜びでもあり感謝します。
30年前の日本初演から再演ごとの観劇を経て、初めて訪れたニューヨークでは、本場ブロードウエイで観た最初のミュージカルがこの『ミス・サイゴン』でした。9年目のロングラン中で翌年に10年のロングラン記録を経て幕を閉じた報道を記憶しております。
いずれにしても涙もろい私には毎回ハンカチが手放せない作品です。
2020年の公演中止ショックを体験して、今回は万全な体制のもと安心して観劇できるものとほぼ確信をしておりましたが、早々とプレビュー公演が中止となってしまいました。
我が家の観劇日は8月27日、その直前にも感染者が確認されて公演の中止が発表されました。
当日までヒヤヒヤで、中止にならないことを祈るばかりでした。
一部キャストの入れ替えはありましたが、無事に観劇出来て大喜びです。
やはり生のステージは最高! 舞台から伝わるキャストの皆さんの熱気と、客席の観客の皆さんの熱気が直に伝わってきます。
ブラボー!、締めは当然ながらスタンディング!…
2022年8月、緑あふれる日比谷公園から見る『帝国劇場』です。
2022-09-13 05:00
nice!(0)
コメント(0)
コメント 0