ベートーヴェン ピアノ協奏曲 第5番「皇帝」 [コンサート]
1970年夏、19歳の私は大混雑している“大阪万博”を見学しました。お土産にソ連館でレコードを購入しようと探しましたが見つかりませんでした。(当時、旧ソ連製のレコードなんて見たことがありませんでしたから…)代わりにドイツ館で見つけたのがこのレコードです。30㎝LP盤、ドイツ館限定販売で価格は500円なり。
ライトナー指揮のベルリン・フィルでピアノはヴィルヘルム・ケンプ。第2楽章と第3楽章だけですが、我が家に初めて「皇帝」がやって来ました。
幼少時にピアノを習っていたせいか、1966年(15歳)の5月24日(火)にヴァン・クライバーンの来日コンサートを、翌6月12日(日)にはアルトゥール・ルービンシュタインのソロ・リサイタルをそれぞれ東京文化会館で聴いております。大阪万博が終わり76年には、そのルービンシュタインが演奏する「皇帝」を購入しました。
バレンボイム指揮のロンドン・フィルで当時はアナログLP盤ですが、後にCD版に買い替えました。
この当時から大きな思い違いが私の中に芽生えます。ケンプやルービンシュタイン、さらにはリヒテルなどの巨匠と言われるピアニストの演奏を聴いていたために、「皇帝」はそれなりの年齢や風格を身に付けなければ演奏できないものだと…。本当についこの間まで信じておりました。
この大きな勘違いを気づかせてくれたのが辻井伸行さんです。14年、彼が26歳で録音した演奏が翌年に発売されて、それを知ったのがつい昨年なのです。もちろん、即購入しました。
カップリングされているのが、モーツアルトのピアノ協奏曲 第26番 「戴冠式」です。こちらも大好きな曲です。聴いてみてビックリ「皇帝」は、巨匠と言われる年配のピアニストに劣らぬ重厚でどっしりとしたスケールの大きな「皇帝」に仕上がっており、「戴冠式」はモーツアルト独特な明るい軽やかさの中に凛々しいほどの輝きが感じられます。
なんでもっと早くにこの演奏を聴かなかったのだろう。私の大きな思い違いが吹っ飛ばされました。ありがとう辻井伸行さん、あらためて拍手喝さいを送りたいほどです。
それにしても暗譜はどのようにしているのでしょうか。絶対音感を持っていることは確実ですが、演奏のみならず作曲をもこなすその仕組みは我々素人には到底理解できません。“ピアニスト辻井伸行”ではなくて、すでに“マエストロ辻井伸行”です! これから益々の成長を、私の余生が続く限り見守っていきたいです。さらにLiveも楽しみたぁ~い…!
2018-09-18 05:00
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コメント(1)
こんにちは。辻井伸行さんの大ファンです(^^)I am a big fan of Mr. Nobuyuki Tsujii, in U.S.A.
Please forgive me for not being able to write in Japanese.
I enjoyed reading this post. It is the greatest compliment to Nobu-kun coming from someone in Japan well versed in classical music. It makes me happy.
どうもありがとうございました.
by M. L. Liu (2018-09-18 12:22)