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『たかがハワイ、されどハワイ』20世紀最後のハワイ旅 [海外旅行]
4月も半ばになりましたがコロナが収束する気配は微塵もありません。その代わりに花粉症が随分と楽になりました。国内外を問わずに旅行を控えていることに変わりはありませんが…
20世紀最後のハワイは、1999年10月のマウイ島3泊5日の旅でした。この年は春にオアフ島に行きましたので半年ぶりです。そのお陰でたった3泊の節約旅になりました。

ANAの正規割引航空券GETを利用して、ホノルルからの離島運賃も含めて往復で72000円です。今では考えられない料金です。

この頃から機材はボーイングのB747ジャンボ機から一回り小振りなB767に変更になりましたが、機内サービスは変わりません。
ホノルルで乗り換えて西マウイのカパルア空港へ向かいます。海を見下ろす丘の中腹で、サトウキビ畑に囲まれた赤茶色の滑走路1本のシンプルな空港でした。

宿泊は「Sheraton Maui」ホテルで、オン・ザ・ビーチのリゾートホテルです。


到着するとベル・ボーイがそのままお部屋まで案内してくれてお部屋でのチェック・インです。
宿泊したお部屋は「3322」でガイドマップのちょうど中央、№3⃣の建物で黄色いマークのオーシャン・フロントのお部屋です。

お部屋からは裸足のままビーチへ行けます。解放感と快適さはワイキキのオン・ザ・ビーチのホテルとは比べ物になりません。中庭の芝生が足裏になんとやさしいことか!…
ホテルからは無料のシャトルバスが数系統ありラハイナ・コースを利用しての観光です。

この時の収穫は「BUBBA GUMP SHRIMP CO.」レストランです。




映画を思い出しながら頂いたエビは最高でした。その後、アラモアナ・ショッピングセンターにも出店されて飛んで行ったほどです。

ラハイナ・ストリートの「KIMO'S」レストラン、海の上に張り出ているテラス席での昼食です。
波しぶきがテーブルにもかかり、強烈な日差しと共に忘れられない思い出です。


ホテルからビーチ沿いに隣の「ウエスティン・マウイ・リゾート」にも歩いて行けます。
裸足感覚が忘れられません。

チェック・インをお部屋で行ったのと同様にチェック・アウトもお部屋で、テレビ画面で行いました。なんと便利な事でしょうか!
現地の新聞や観光スポットのチラシなどを持ち帰ります。荷物になりますが時間が経つほど思い出が積もった無料のお土産となります。
ANAの機内誌で映画プログラムのページです。時代(年代)も一緒に思い出とないます。

コロナで現在は県外をまたぐ移動も自粛要請されております。国内でこのような状態ですから海外へはいつになったら行ける事やら…?
ハワイへの行き方を忘れそうです…(涙)
『川合玉堂』展・山種美術館 [世界の美術館&博物館]
東京では今年3月中旬に桜の開花が宣言されて下旬には満開となり、4月にはすでに葉桜となってしまいました。

散った花びらが路面を飾っている4月1日、広尾の山種美術館で『川合玉堂展』を観てきました。

サブタイトルに「山崎種二が愛した日本画の巨匠」とあるように、美術館の創立者・山崎種二氏が川合玉堂との親しい交流から蒐集された数多くの作品の展覧会です。
「山種美術館」は我が家では毎度お馴染みになっており、都内の近場で日本画と言えばここが最高です。何度訪れてもハズレはありません。写真などとは比べ物になりません。本物の持つ迫力、力強さを毎度のことながら感じております。


展示品の中には以前にほかの企画展で拝見したものもありますが、あらためて拝見すると名画としての価値がさらに伝わり感動すらしてしまいます。
いつもながら思うのですが、作品の保存・修復などにどの位の時間と経費が必要なのでしょうか? 年寄りの一般庶民としては想像すらつきません。
今回は玉堂の師である望月玉泉や橋本雅邦などの作品も展示されてその技巧や画面構成なども見比べることが出来ます。それらの制作年は天保から明治年間となりますのですでに100年以上が経過しております。保存管理はどのように行っているのでしょうか?

さらに付け加えるならば「表装」の素晴らしさがあります。展示されているほとんどの作品に同じ紋様の表装が施されております。美術館側で保存のために施されたものと思われますが、時代(年代)や作風に考慮しながらも一幅の芸術品として見事に仕上がっており、これまた感心をしてしまいます。

玉堂と言えば横山大観と川端龍子の三者による「松竹梅」展が有名で、美術館所蔵の絵画や書、それに集合写真を以前拝見してその発想の面白さと出来栄えにビックリさせられました。今回もその一部が展示されて大喜びをしてしまいました。出来る事なら現存の作品等、関係するすべてを観たいものです。
最後に、我が家でお正月に欠かせない作品を紹介します。1942年(昭和17年)に美術館創立者の山崎種二氏のお嬢様の結婚を祝って川合玉堂から贈られた作品です。「松上双鶴」(絹本・彩色)です。
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おめでたい作品なので、我が家ではお正月のお飾りとして使わさせていただいております。あらてめて実物を拝見して恐れ多くなってしまいました。やはり本物は素晴らしい!…
映画『まともじゃないのは君も一緒』TOHOシネマズ日比谷 [お気に入りの映画]
3月22日、久々に映画館を訪れました。


訪れたのはTOHOシネマズ日比谷で、11時50分の回を見ました。


まだまだ定員は50%に制限されているものの、ひとつ置きの座席は解除されて久々に夫婦ふたりで並び席で鑑賞できました。ただ、まだまだ館内は寂しい限りです。


清原果耶さん、私が今最も注目している若手女優です。しばらく前のNHK朝ドラ「あさが来た」でご主人に惚れてしまう女中奉公の娘役が記憶に残り、その後もNHKのドラマ「透明のゆりかご」や「蛍草 菜々の剣」などを拝見してファンになってしまいました。
初主役の映画「宇宙でいちばんあかるい屋根」では、個性が半端でない桃井かおりさんを相手に堂々とした演技を見せてくれました。その流れで今回の鑑賞となったわけですが、主役の成田凌さん、清原果耶さん、おふたりの演技もさることながら、その台詞に驚かされてしまいました。今どきの女子高生がポンポンと発するセリフに対して、予備校講師の口からは数学の定理がよどみなく語られます。脚本家はどこまで専門に学んだのか知りたいほどです。特に今どきの女子高生言葉は私みたいな初老のおじさんには理解不能ですし、脚本として書くこともできません。言葉の面白さ、日本語の面白さを存分に楽しませていただきました。

これまでは等身大の年齢の役が多かった清原果耶さんの今後が楽しみです。そう遠くない時期に、女の子からおとなの女性の役を演じられることでしょう。
来月、5月17日から放送が始まるNHK朝ドラ「おかえりモネ」ではヒロインを演じるとの事、一枚脱皮してさらに大きくなった彼女に期待しております…
『たかがハワイ、されどハワイ』初ANAで行く99年のハワイ旅 [海外旅行]
ANAが名古屋⇔ホノルルに続き成田⇔ホノルル便を就航させました。
待ちに待ってましたと言わんばかりに99年4月6日から4泊6日の旅をANA便で楽しんできました。


エコノミー・クラスですが運賃はなんと往復で49000円、当時は当然ながら燃油サーチャージ込みです。さらにキャンペーンとしてANA利用券5000円もありますので、実質44000円となります。
30年以上続く我が家のハワイ旅行の中で最安値の価格で、今さらですが驚かされます。
現代流行りのLCCではありませんので食事も申し分ありません。

ホノルル到着日の夕食は、いつしか格安の「ペリーズ・スモーギー」でいただくのが常となっております。

時差ぼけのある中では十分すぎるほどの量です。しかもお酒は持ち込みOKで、嬉しい限りです。

オアフ島内は4日間有効の「バス・パス」が大活躍、使用する月と日数をスクラッチするだけです。

ハワイでは毎度お馴染みのABCストアで購入できて、価格は公共機関なので税込みです。

「ワード」のファーマーズ・マーケットでプレート・ランチを購入して、「アラモアナ・ビーチパーク」でいただきました。ハワイの日差しの下ではプレート・ランチもご馳走となります。

「アロハ・タワー・マーケットプレイス」内の「ゴードン・ビアーシュ」は我が家のお気に入りです。

地ビールと共に頂く「ガーリック・フライズ」($4.50)は山盛りで絶品です。

パール・ハーバーで「戦艦ミズーリ号」と潜水艦「ボーフィン号」を見学。


実践で活躍した戦艦なのでその迫力とその不気味さには怖さを感じてしまうほどです。


前回同じパールハーバーで日本軍が撃沈した「アリゾナ祈念艦」を見学した時と同様に、日本人は我々だけで周りはアメリカ本土からの観光客と思われる方々ばかりです。
ホテルのお部屋に毎日朝刊が届けられます。気になる記事を持ち帰っていますが、今回はブロードウエイ・ミュージカル公演の宣伝ページです。

旅行期間中の天気や上映されている映画欄なども切り抜き、思い出として元帰っております…
『たかがハワイ、されどハワイ』海外旅行の醍醐味を味わった1998年のハワイ [海外旅行]
1998年9月8日~17日まで、我が家としては最長となる8泊10日のハワイ旅行でした。
旅行の醍醐味のひとつに無料航空券があります。努力してマイレージを貯めれば手に入るものなので醍醐味とは言えないかも知れませんが、国内と比べて海外は便数と座席数にかなりの制限がありますので、自分好みの便と日程がなかなか合いません。
今回はエコノミー・クラスですが夫婦ふたり分、コンチネンタル・ミクロネシア航空の無料航空券を利用させていただきました。利用できる便の都合で8泊10日になった次第です。
成田発の夕食と朝食です。日本食も意識されてありがたいです。


宿泊はこの時から、シェラトン・ワイキキ・ホテルです。前回のシェラトン・プリンセス・カイウラニ・ホテル予約時にシェラトンホテルズのメンバーズ登録をしており、チェックイン時にカード提示でアップグレードをしていただきました。
“オーシャンとダイヤモンド・ヘッド、どっちが良い?” と聞かれてすかさずに“ダイヤモンド・ヘッド”と答えると、26階のデラックス・ダイヤモンド・ヘッド・ビューのお部屋を用意してくれました。予約したのは低層階のシティー・ビューだったので、いきなり26階になりビックリです。しかも8泊もの連泊で…。個人予約のお陰でしょうね、ラッキー!!
無料航空券にプラスして最高クラスのお部屋に宿泊…、これこそが懐を痛めない旅行の醍醐味でしょうね。
26階のエレベーター・ホールとお部屋のラナイ(ベランダ)からの風景です。


シェラトン・ワイキキから徒歩で行ける「アメリカ陸軍博物館」です。入場は無料ですが、心付けとしての寄付を…
太平洋戦争で日本が負けたことを実感できます。


我が家にとってはお馴染みのアロハタワー、お目当ては「ゴードン・ビアーシュ・レストラン」です。ここは地ビールの元祖でしょうか。


夕食は焼肉の「カメリア 冬柏」でいただきました。韓国人の経営で食べ放題ですが、その種類と量に驚かされます。


「エッグスンシングス」での朝食は現在と違って行列もありませんでした。


「ホノルル美術館」です。

昼食はビーチウォーク通りの「神田 やぶそば」でいただき、手打ちのそばに大満足でした。


このビーチウォークには、日本人が経営する鮨、そば、イタリアンのお店が並んでおりましたが、現在はかなり様変わりをしてしまいました。
夜はお馴染み「チャックス・セラ―」です。


「ホノルル水族館」はワイキキの外れですが、ホテルから徒歩圏内です。


毎年9月に、ハワイ全島挙げての「アロハ・フェスティバル」が開催されます。期間中様々なイベントがあり、「アロハ・フラワー・パレード」もその一つです。アラモアナ・ビーチパークからカピオラ二・パークまで、約2時間半をかけてのパレードです。
各島から選出されたクイーンや、学校や企業などのグループによるマーチング・バンド、さらにその年のテーマで飾られた車などが登場します。この89年は東京大田区からお神輿が参加して盛り上がっておりました。



当時、シェフのサム・チョイ が料理コンテストで優勝して人気になっており、その優勝したシーフード料理を食べてきました。


こちらはアメリカ南部の郷土料理店「ディキシー」です。名物はドラム缶の蓋をお皿代わりにしてナナズなど南部の食材を豪快に手づかみでいただきます。
当然、食べきれませんので“ドギー・バッグ”としてお持ち帰りです。


ホノルル空港では運が良ければオープン・スペースでハワイアン・ショウが楽しめます。

後ろは日本に乗って帰るコンチネンタル航空機です。それにしても首に飾られているレイはどこで頂いたのでしょうか? 思い出せません…

旅行は未知との遭遇です。その場、その時でしか味わえない醍醐味があります。このような旅が再び体験できる日を心待ちにしております。
<次回は20世紀最後の1999年のハワイです。たかがハワイ、されどハワイです…>
『たかがハワイ、されどハワイ』初ハワイから90年代前半のハワイ旅 [海外旅行]
年に一度、夫婦ふたりのハワイ旅行を楽しみに生活をしております。
昨年(2020年)は9月に行く予定で早々と2月にエアラインとホテルを予約しましたが、7月末には飛行機の運休、8月に入るとホテルから休業、との連絡が入り断念!
今年(2021年)に期待を掛けましたがいまだにコロナの終息は見えず、今年もおそらくだめでしょうね。私たちには陰性証明書もワクチン接種証明書もありませんから…。
たかがハワイですが、されどハワイです。89年の我が家の初ハワイから2019年までに22回を数えます。家族の不幸などを除き、毎年のように旅行することが夫婦の楽しみになっております。
楽しかった思い出を辿って行きます、まずは初ハワイの89年です。

成田発夜10時ですがホノルルには出発日同日の朝(日本時間翌日早朝)に到着します。ツァーだとホテルのチャックインが出来る午後3時頃まで市内観光に連れ回されます。夜中のフライトで皆さん睡眠不足で冷房の効いたツアーバス車内はほとんどの方が眠りこけております。写真はツアー観光のひとつ、「パンチボールの丘」で墓所です。

チェックインを済ませば待ちに待った自由行動です。「キングス・ヴィレッジ」の儀衛兵の交代セレモニーで撮った記念写真です。

夕食はキングス・ヴィレッジ向いの「チャックス」でステーキをいただきました。写真のキングス・カットで約16ドル、30年前はこんなに安かったのですね。

値段で忘れられないのが「ペリーズ・スモーギー」のビュッフェです。ディナーでも当時約8ドルの安さです。味は値段に比例して大味のアメリカンですがアルコールは持ち込みOKなので、その後の旅行でも何回か利用しました。

このお店はかなり前に閉店して、2019年当時は平地になっていましたので今ごろはホテルなどが建っているかも知れません。
89年の初ハワイでハワイの魅力にとり付かれましたが、エコノミークラスの座席の窮屈さにうんざりして91年はJALのビジネスクラスを利用することにしました。しかもこの回から完全に個人旅行で、エアラインとホテルを直接予約しての旅です。

ホノルル空港で乗り換えてカウアイ島に向かいます。目的はエルヴィス・プレスリーの映画『ブルー・ハワイ』のロケ地巡りです。映画にも使われたホテル「ココ・パームス・リゾート」に宿泊して映画を振り返ります。今で言う聖地巡礼でしょうか。しかしこのホテルは翌92年夏のハリケーン・イニキで壊滅的な被害に遭い休業、その後再建されずに完全に無くなってしまいました。行っておいて良かったです。

オアフ島では「ダイアモンド・ヘッド」に登ったり「シー・ライフ・パーク」などを見学して楽しみました。


ワイキキの「達磨」で食事をしましたが、このお店もまだあるのでしょうか?

この91年のJALに対して良い思い出はありません。そのひどさに呆れてその後JALの利用を取りやめたほどです。以来、国内・海外を含めてJALには乗っておりません、乗る気がしないのです、今でも…。
当時ハワイにはまだANAが就航しておらず、ANAが飛ぶまでコンチネンタル・ミクロネシア航空を利用しました。
94年にはそのコンチ(現在はユナイテッドの傘下)のビジネス・ファースト・クラスを利用して、極上の空の旅を味わいました。

この年はワイキキ・ステイですが、日帰りで「マウイ島・ラハイナ」を散策しました。

オアフ島に戻り、太平洋戦争勃発の祈念艦がある「USS・アリゾナ・メモリアル」を訪問。

大流行となったアウトレットの「ワイケレ・ショッピング・センター」もまだグランド・オープン前でしたが、ザ・バス(市内バス)を乗り継いでその規模の大きさを実感してきました。

96年はコンチのエコノミー・クラス利用で、ワイキキは初めてシェラトン・プリンセス・カイウラニ・ホテルに宿泊しました。

ホテルはワイキキのど真ん中に位置しておりどこに行くにも便利です。
オアフ島には豊富なバスルートがありますので、ザ・バスが4日間利用できる「バス・パス」を購入して動き回りました。このパスは大変便利で近場のABCストアで購入できます。(現在は廃止されて、一往復分の料金でワンデイ・パスをバスの運転手から購入します)
「ビショップ・ミュージアム」や「アロハ・タワー」など定番観光地巡りです。


現在アロハタワーではレストランは残っておりますが、マーケットプレイスのショップは無くなり、大学のキャンパスとなっております。時計台のアロハタワーは従来通り登頂見学は可能です。
夜は、ビーチウォークの「にゅう・とうきょう・れすとらん」でちゃんこ鍋をいただきました。

ポン酢がなくて四つ切にした大量のレモンが提供されたことが記憶に残っております。

残念ながらこのお店もかなり前に閉店となり、現在は跡形もありません。
Tシャツと短パンなどの普段着で構わず、食べ物にも苦労せず、暖かい気候と自然に囲まれてのんびり過ごせるのがハワイです。
サラリーマン生活の中でハワイで鋭気と気力を養うことが習慣となっていきました。
たかがハワイ、されどハワイです…
<90年代後半へ続く>
『美を結ぶ。美をひらく。』展・サントリー美術館 [世界の美術館&博物館]
六本木・東京ミッドタウン ガレリア3階に位置する「サントリー美術館」を訪れました。(2月22日)


美術館のリニュアル・オープン記念最後を飾る展覧会です。

サブタイトルに「美の交流が生んだ6つの物語」とあるように、あまたある美術品の中から日本と世界の交流から生まれた作品の数々が鑑賞できます。
6つの物語は、“古伊万里” “鍋島” “紅型” “和ガラス” “江戸・明治の浮世絵”そして “ガレ”の作品群で物語られます。すべてがサントリー美術館の収蔵品ですから驚かされます。収蔵品の価値の高さから、企画したキュレーターの発想と眼力の高さまで、「知識の交流が生んだ物語」とでも言いましょうか、お見事です。

ガレについては大きな思い出があります。もう十数年も前になりますが、パリ・オルセー美術館で見た “手”です。永い時間海底に居たのでしょうか、貝殻や藻などが複雑に絡み合いへばり付いています。ガラスケースの中、流れるセーヌ川の川面の陽光を浴びて怪しげで妙にエロティックだった事が記憶に残っています。
今回会場での写真撮影が許されていたのでガレだけ撮らせていただきました。会場で展示の最後を飾る、花器 “木立”と壺 “風景”です。2作品とも初めて拝見しました。



いつも、いつも思うのですが、どうやって作るのだろう? その技術的にも、その感性的にも…
各ジャンルであらためてそれぞれの “美”を堪能させていただきました、ありがとうございます。
最後に東京ミッドタウン内の無印良品のお店で見つけた巨大ポスターを紹介します。近代的な六本木のビル内で、いにしえの奈良時代と結ばれました、これも何かの縁なのでしょうか?…

音楽のある暮らし・4『山野楽器』我が家のミュージック・ライブラリー [コンサート]
銀座・山野楽器本店を利用して半世紀以上になります。
小学生の時から日比谷の映画街に通い、社会人になると職場のあった日比谷と銀座に計30年間勤務しておりました。そのお陰で山野楽器店でCDやDVDなどを頻繁に購入しております。子供の時にはサントラ盤がメインで、大人になってからは安価なクラシックの輸入盤も加わりました。
その山野楽器が独自にミュージックCDを制作・販売していることを昨年ようやく知りました。2016年に始まり、昨年2020年までにジャンルを変えて7種類のアルバムが発表されております。情報不足で購入が遅くなりましたが順次我が家に揃えるつもりです。いずれも “銀座” の香りと雰囲気が感じられる逸品となっております。
第一弾で販売されたのがこの “GINZA Classics” です。




ここでの紹介は省略いたしますが、ミュージシャンはすべて超が付くほどの一流の方々ばかりです。
2017年に入って発表された第2弾が “GINZA Feeling~Elegant Music Collection” です。




懐かしさで聞き入ってしまう名曲の数々が収録されております。
この後にシネマやジャズ、バロックなどのアルバムが発表されており、早く手元に欲しいものです。生活の中に音楽はなくてはなりません。コロナ禍で、さらに冬の厳しい寒さの中、我々シニア世代には十分な栄養と睡眠それに上質な音楽が日々必要と思われます。生のコンサートになかなか接することが出来ない昨今、上質な音楽を日々提供してくれる銀座山野楽器店には感謝しかありません、ただし改築後に店内に入りにくくなったことが難点ですが…
(写真はすべてCDのジャケットを使用させていただきました)
ミュージカル『屋根の上のヴァイオリン弾き』2021・日生劇場 [オペラとミュージカル]
久々にステージ・ミュージカルを堪能してきました。(2021年2月8日・昼の部)


見事なアンサンブルに酔いしれてしまいました。
年齢を重ねるごとに生のステージに接する機会が減りました。そのお陰で若い新しいキャストの皆さんを知りません。今回も主役級の方々以外は初めて拝見しますが、舞台に立つだけのことはあって皆さん全員が見事な演技を披露してくれました。
ロシアの小さな寒村のお話を米国で舞台化して日本人が演じているわけですが、これまでは再演を重ねる名作として “プレタポルテ” の感覚でした。それが今回は職人さんが丹精込めて作り上げた “オートクチュール” 感覚に変わりました。半世紀以上にわたり繰り返して上演されているにも関わらずに、初演時のオリジナルティを残しつつ、時代の変化で細部には手を加えたものの、日本人による日本人のための心揺さぶる作品に仕上がっております。職人技で作り上げた、まさに “オートクチュール” の誂え品です。シニア世代の私には余計に感じられるのかも知れません。
特に目を見張ったのが振り付けです。オープニングの村人たちの登場からラストのお別れまで、一挙手一動すべてに振り付けが施されております。演出ではなくて、振り付けなのです。
ダンスシーンのパフォーマンスのみならず、全編において事細かに振り付けが指示されており、キャストの皆さんは見事なアンサンブルを構築して目を見張るばかりです。まさに「ブラボー!」です。
やはり生の舞台は素晴らしいです。昨年は切符も購入して楽しみにしていた『ミス・サイゴン』がコロナで休止となり残念でしたが、今回はしっかりした感染予防対策がとられての上演です。


初めてアナテフカ村に足を踏み入れたのは1967年9月で、当時は16歳の高校生でした。


以来、今月2月1日には70歳を迎えて感慨深いものがあります。

当時のスタッフ、キャストの皆さんの中には、すでに次の世界へ引っ越された方が大勢いらっしゃいます。
半世紀もの時間空間は大きいです。帝劇公演のプログラムに掲載された広告を紹介します。ジャルパックの香港・マカオ4日間は約15万円、ハワイ7日間は当時ひとり約30万円なり…

日立のステレオの約10万円は納得できますが、電子レンジがなんと298,000円もするのです!驚きです…

今でも変わらないのは、生の舞台の素晴らしさです。オペラやミュージカル、お芝居や落語の高座、バレエにコンサート、生で味わえる喜びは何事にも代えられません。そのひとつひとつが心の引き出しを豊かにしてくれます。
50年以上もお付き合いしてきたこのミュージカルは50年後も上演されるのでしょうか? ヴェルディやプッチーニのオペラのようにクラシックとして残っているのでしょうか? 残念ながらその時代には私は観ることが出来ません…
『和宮 江戸へ』展・江戸東京博物館 [世界の美術館&博物館]
江戸東京博物館で開催されている『古代エジプト展』の半券を利用して同博物館の『和宮 江戸へ』展を鑑賞してきました。(1月30日)



皇女和宮が江戸の徳川家へ嫁ぐ際に持参した品々や身の回りの日常品の数々を展示・鑑賞できる展覧会です。

天皇の娘・皇女が侍の徳川家に嫁ぐ異例の出来事は、御所と武家の橋渡しをしたことで歴史に大きく残されております。しかも嫁いだ先の徳川家14代の家茂は婚礼後まもなく21歳で亡くなってしまい、その後の和宮様の苦労はどれほどのものだったか計り知れません。
80代まで天命を全うされた和宮様ですが、その人生で実際に使用された品々が展示されております。天皇家と徳川家ですから当然のことながら、我々一般庶民には手の届かないほど最高級品仕上げとなっております。当時、平民では見る事も出来なかったことでしょう。ただただ、見事と言うほかに言葉はありません、全てにおいて…。

気になったのは、京から江戸への道中です。各地から江戸へ上る参勤交代ですら殿様を含めての大行列ですから、それ以上の警護と行列になったことでしょう。展示の解説を読むと、道具としての婚礼品の数々が嫁ぐ皇女とは別に運ばれて17日間を要したとありました。皇女様の御駕籠はそれとは別で、道具類以上に慎重な警備・警護がされたはずです。いったい江戸まで何日かかったのでしょうか、今では新幹線でたったの3時間ですが。
かなりの大人数による行列隊と思われます、途中の宿泊や食事などどのようにしていたのでしょうか、トイレを含めて…。膨大な費用だったことでしょうね。これこそ想像を絶します!
1枚、京鴨川の橋を渡る行列を描いた図がありました。やっぱりね、との感じです。


別世界へ足を踏み入れた思いですが、まだ100年とか200年とかその程度の前の出来事です。今、現在の方がよほど別世界でしょうか、コロナ禍の真っただ中で…。
『古代エジプト展』江戸東京博物館 [世界の美術館&博物館]
1月20日、JR両国駅のホームへの階段です。

この日、両国国技館では大相撲初場所が開催中でしたが、コロナの影響を含めて幕内力士17名が休場するなど異例の場所となりました。しかも両横綱も不在です!…

両国へのお目当ては国技館に隣接する『江戸東京博物館』です。

『古代エジプト・天地創造の神話』展を鑑賞してきました。

ここでもコロナの影響を受けて閑散としています。



入館者は少なくても展示品は約130点余りでとても充実しております。良くこれほどまでの物を運んだと感心する大型の物からものから、手のひらに乗るような小型のものまで多種多様です。興味のある方にはたまらないでしょうね。
以前、ロンドンの大英博物館やニューヨークのメトロポリタン美術館などでかなりの遺品を拝見しましたが、ベルリンにもこれほどのものがある事を知りませんでした。本家本元のエジプトのカイロ博物館にはどれほどの展示品があるのか想像に絶します。
古代エジプトの神話では、すべてのものが海から生まれて、海に帰るそうです。神話に登場する神の化身アヌビスが、各コーナーで映像を駆使して解説してくれます。新しい解説と表現方法で、納得してわかりやすかったです。



美術館、美術展は心に残ります。心と知識の引き出しがまたひとつ増えた感じがします…
『琳派と印象派』展・アーティゾン美術館 [世界の美術館&博物館]
ブリヂストンの創業者である石橋正二郎氏が収集した美術品(現:石橋財団コレクション)を展示するために1952年東京・京橋の本社ビル内に開館されたのが「ブリヂストン美術館」です。半世紀を経て、5年の年月をかけてビルごと建て直して昨年1月に再開されたのが「アーティゾン美術館」です。ARTIZONはART(美術)とHORIZON(地平)を合わせた造語だそうです。

コロナの影響でなかなか訪問できずに一年が経ち、ようやくこの1月14日に展覧会を鑑賞してきました。

「琳派」と称される日本の国宝や重要文化財と「印象派」と呼ばれるマネやドガなどの作品を見比べる企画です。


展覧会の顔となるデザインも実におしゃれで、そのセンスに眼を見張ります。背景に尾形光琳の「流水図広蓋」の波型をあしらい、その上にモネの「睡蓮の池」を置き合わせてグラデーション模様を描き、最前面には俵屋宗達の「風神雷神図屏風」から風神と雷神を抜き出して配置されております。
古今東西の美術品に秀でた方の作品なのでしょうね、きっと若い方で、私みたいな年寄りには発想できません!


タイトルの琳派と印象派がこれほどまでに繋がりがあるとは思ってもおりませんでした。目からウロコ!、を感じてしまいました。企画そのものに拍手を贈ります。

さらに初めて訪れたアーティゾン美術館の面白さにどっぷりハマってしまいました。建物そのものから各階の展示室に加えてビューデッキや休憩コーナーまで、これまでになかった美術館の造りです。





今回は展示作品を目一杯楽しませていただきました。次回はさらに美術館そのものを楽しみたい思いです…
映画『大コメ騒動』TOHOシネマズ日本橋 [お気に入りの映画]
成人式の1月11日に、TOHOシネマズ日本橋で映画『大コメ騒動』を観てきました。
写真はTOHOシネマズ日本橋から見た、隣接の「福徳神社」です。成人を迎えた晴れ着姿のお嬢さんたちが見られます。



「大コメ騒動」は、「鬼滅の刃」や「セーラームーン」など大ヒットのアニメの中で大人がじっくりと鑑賞できる作品です。



大正時代の実際にあった “米騒動” を題材にした娯楽作品に仕上がっております。


喰うことに命を懸ける女性たちの痛快コメディですが、ホロリとさせる場面もあり、このコロナ禍でも通用することなので考えさせられてしまいました。結果は分かっているのですが、途中のプロセスと役者さんたちの見事な演技を存分に楽しませていただきました。特に女優さんたちはピカイチです!
お米の有難さがたっぷりと身に沁みる映画です…
初詣2021 [国内旅行]

写真は、赤坂「インターコンチネンタル・ホテル東京」メイン・ロビーの正月飾りです。
2021年元日の朝、地元の「西之宮稲荷神社」に初詣に行きました。

今年は感染予防対策で日時を分散してのお参りが要請されて、朝8時に出かけましたがご覧のようにガラガラでした。なにか気が抜けてしまいました。
三日に浅草に出かける用事ができたので、ついでに浅草寺をお参りしてきました。こちらは東京有数の繁華街とあって結構な人だかりです。

年末年始はどうしても混雑するのでしょうね。
ただいつもと違うのは道路の真ん中に消毒液が置かれていたり、

ソーシャル・ディスタンスと検温の要請がありました。


約70年の人生で初めて目にする光景です。
コロナの終息と自身の健康を願いました。


コロナの爆発的な感染拡大が続く中ですが、お笑いの公演も上演中で生きるためのバイタリティーを感じてしまいます。早く、満員の客席でマスクなしで大笑いできる日を望むばかりです…

『東山魁夷と四季の日本画』展・山種美術館 [世界の美術館&博物館]
2020年の我が家としては最後を飾る美術展を楽しんできました。(12月15日・山種美術館)
お目当ては東山魁夷の連作「京洛四季」の“年暮る”です。以前からこの美術館で何回か拝見しておりますが、現実の暮れの瀬に激動の一年の締めくくりとして鑑賞したかったのです。




「京洛四季」連作4点を同時に鑑賞できる機会は滅多にありません。現在では描くことが出来ない京の風景にあらためて感動してしまいます。

同時に皇居新宮殿に飾られた作品(皇居内の実際の写真も同時に展示)と共に、東山魁夷と同世代の画家たち(山口蓬春や上村松篁、川合玉堂などなど)の逸品も一堂に会しており、年末を飾るひときわ豪華で充実した展覧会でした。
日本画の宝物館・山種美術館が大好きです。この年になり年々日本画の素晴らしさが感じられるようになりました。

展覧会だけではなくて、カレンダーや年賀状でも山種美術館が楽しめます。


コロナの終息を祈りつつ、今年は何回山種美術館に足を運べるか楽しみでなりません…
『十二月大歌舞伎』歌舞伎座・第二部 [演劇・舞台]
今年の締めくくりに歌舞伎を観てきました。(12月24日)
東京・歌舞伎座は8月に再開したものの、いまだに感染拡大防止のために最大限の工夫を施して上演されております。座席も下の写真の白い席は販売されてなく、満席となっても定員の半分ほどです。興行的にはきついですが、舞台に立ちたい役者さんと舞台を観たいお客様で館内は熱気に溢れております。


客席でのおしゃべりも、大向こうの掛け声も自粛が要請されています。

それでも生の舞台を観たいのです。お芝居の感動を体感したいのです。

四部構成完全入れ替え制で、観劇したのは第二部の『心中月夜星野屋』です。


原作は落語の“星野屋”で、大店の若旦那とお妾さんとの心中騒動がコミカルに描かれています。
歌舞伎座で、これほど声を出して笑ったのは初めてではないでしょうか。
現代のTVコマーシャルや大ヒットTV番組の名セリフまでもが飛び出しますが、妾役の中村七之助さんの妖艶さ、若旦那役の市川中車さんの型を決める演技など、歌舞伎ならではの舞台を満喫させていただきました。

正味たったの50分の舞台でしたが “年末吉例年忘れ爆笑公演” としてコロナの一年を忘れさせてもらいました。お芝居やコンサート、人生には不可欠なものである事をあらためて感じさせる舞台でもありました。
感染防止のために劇場スタッフの皆様、並びにキャストの皆様の努力には感謝しかありません。来年も素晴らしい舞台を見せてくれることを願っています。
舞台以外にも歌舞伎と歌舞伎座が楽しめますので紹介しておきます。


笑顔で新年が迎えられますように…!
『ニューイヤー・コンサート2021』サントリーホール公演中止 [コンサート]


『サントリーホールのニューイヤー・コンサート2021』がコロナの感染拡大で中止となりました。
我が家のお正月恒例行事で来年は連続27回目となるはずでした。
コロナには勝てません。コンサートすべてが無くなるわけではありません、来年がダメなら再来年、再来年がダメならその翌年…、と続くのですから楽しみは後に残しておきましょう。
2週間後に迫った時点での中止は残念でたまりませんが、思い出としてチケットと公演チラシを記録しておきます。



さてさて、次回のコンサートに行けるまでコロナやインフルエンザなどに負けていられません。笑顔で演奏が楽しめることを夢見て健康に心掛けましょう!…
『東京ディズニーシー』36回目の結婚記念日 [ディズニー]
コロナ禍ですが恒例の結婚記念日お泊りディズニーを楽しんできました。ランドとシーを交代に訪れて今回は“ディズニーシー”の番です。

ディズニー・リゾートが再開されて、7月13日に“ディズニーランド”を訪れたときと比べると入園者は格段に多くなっております。たくさんの方々が楽しんでいる姿にホッとしますが、コロナの感染拡大には十二分に注意が必要です。

このマークが無くなる日を待ち望んでおります。
大好きな“ビッグ・バンド・ビートのブロードウエイ・シアター”や“アリエルのマーメイド・ラグーン・シアター”などステージ・ショウは今回休止となっております。残念でたまりませんが、それはそれで他を楽しめば良いのですから…。
“タワー・オブ・テラー”のウエイティングではキャストと呼ばれる係のお姉さんから話しかけられて、“タワー~”は出来て10年、“シー”は来年で15周年を迎えることを聴き、さらに本場アメリカの“タワー~”の違いについて話が盛り上がってしまいました。なんとお互いにフロリダ・オーランドで「大絶叫!」を体験していたのです…。舞浜に通い始めて30年以上になりますが、キャストのお姉さんとこんなに長くお話したのは初めてです。お姉さんも、年寄りふたりがオーランドではしゃいでいたとは驚いたことでしょうね。

オーランドがらみでもうひとつ、“ソアリン:ファンタスティック・フライト”です。

カリフォルニアのディズニー・ランド・パークで登場して大評判となり、すぐさまオーランドのディズニー・ワールドにも登場、10数年を経てようやく舞浜にも登場した人気アトラクションです。オーランドで「New Open!」で乗った時はカリフォルニアのディズニー・パークから飛び立ち、雲を抜けるとジェット戦闘機と出会い慌てて急降下をしてオレンジの香りが漂う農園上空などを飛行して、花火が打ち上がる夜のディズニー・パークに戻ってくる内容でした。舞浜版はバージョン・アップされて行動範囲が世界に広がっております!家族揃って楽しめる正にディズニーらしいアトラクションです。

パークで楽しんだあとは、宿泊のシェラトン・グランデ・トーキョーベイ・ホテルで乾杯!

36回目の結婚記念日は“Happy Holidays!”でした…

36回目の結婚記念日をGo To トラベルで… [国内旅行]
毎年12月1日の結婚記念日にはシェラトン・グランデ・トーキョーベイ・ホテルに宿泊して夫婦ふたりで祝い、楽しんでおります。30回目の記念日から始まり、今年は36回目ですので7年連続となりました。
海外のシェラトンホテルと違って舞浜のここはホテルスタッフの接客が素晴らしく、その笑顔に「来年もまた来ようね!」と、なってしまう訳です。
毎年、お部屋のベッドにはメッセージ・カードとタオルで作られたお花が出迎えてくれます。

今年は初めて“Go To トラベル”を利用しました。(最初で最後かも知れませんが…)

今回は宿泊料金の35%が補助されて、されに地域クーポン券5000円分が付いております。

宿泊する部屋はここ何年かクラブ・ルームにしております。

理由は簡単です、クラブ・ラウンジが利用できるからです。一般のお部屋を予約して、夕・朝食をレストランでいただくと結構高い料金となってしまいます。
ラウンジ・サービスなのでレストランと比べると品数は劣りますが、私たち年配者にはそれで充分です。なお且つ飲み放題付きです!
ビュッフェ・スタイルなので、時節柄トングを使う手には手袋を使用します。マスクに手袋、出来る事は当然ながら何でも行います。早く外せる日が来ることを願いながら…。


今回、“Go To トラベル”と“ホテル・バウチャー券”を併用しました。額面1万円のバウチャー券が2割引き(購入した9月時点で、10月以降は1割引きになっています)です。
結局、一泊33700円のクラブ・ルームが12905円(地域クーポン券5000円分を引いて)となりました。なんとひとり6450円で、泊まって、飲んで食った、わけです。
とても有難いことですが、帰宅した翌日夕方に都知事から65歳以上の高齢者と基礎疾患を持っている人は東京発着のGo To トラベルの利用自粛要請が発表されました。今後はどうなることでしょうか、コロナの収束を願うばかりです…。
古稀と『わが夢の街、ウィーン』 [海外旅行]
年明け早々、2月になると70歳を迎えます。古稀と呼ばれる高齢者に堂々となるのです。自分では考えられません、70歳だなんて…!
自分へのお祝い、ご褒美として海外旅行を企画しました。行き先は『わが夢の街、ウィーン』です。小さい時からウィーンに憧れて、大好きで、23年前に夫婦ふたりで初めてのヨーロッパとして旅をしております。
今回の企画は、70を超えると片道12時間を超すフライトは容易に出来なくなると考えて、長時間のフライト最後の旅として考えたものです。フロリダ・オーランドのディズニー・ワールドへ4回目のチャレンジや、美術館を巡るローマかフィレンツェへの初旅も候補に挙がりましたが、一度訪れて勝手がわかる地でもう一度のんびりとウィーンを味わいたい思いに駆られました。
旅の準備として少ない年金の中から月々2万円を積み立てることを2017年正月から始めました。4年間で100万円を積み立てる計画です。
順調に積み立てられましたが、コロナのおかげで飛行機は飛ばず、ヨーロッパ各国は都市封鎖が続いております。温かくなり花が咲きそろう4月か5月に訪問したかったのですが予約すらできません。
残念で堪りませんが前回1997年の旅を振り返り、思い出に浸りながら楽しむことにしました。
当時の写真アルバムからいくつか紹介します。まずは、≪はじめに≫と題された序文とアルバム表紙です。


続いて、いまでは珍しいIATAの航空券です。この時代はまだ、帰国便の72時間前までに予約確認をする必要がありました。今となっては何と懐かしいことか…


当時、ウィーンへは全日空とオーストリア航空のコードシェア便で、ウィーン経由パリ行きが飛んでおりました。
まだEU共通通貨のユーロが導入される前で、通貨はまだオーストリア・シリングでした。今となってはただの紙になってしまいましたが思い出のお金です。

最後に、ウィーン市立公園内のヨハン・シュトラウス像です。私たちが訪れた時は金ピカでしたが、少し前に知り合いの友人が訪れたときは真っ黒だったそうで、いまでもその理由は知りません。

アルバムをめくるだけで数えきれないほどの記憶が蘇ります。美術館に目覚めさせてくれたウィーン美術史美術館、“トリスタンとイゾルデ”が上演されたウィーン国立歌劇場、ホイリゲに行きながら歩いたベートーヴェンの小路、シェーンブルン宮殿に高校時代のペンパルの家が近くにあるベルベデーレ宮殿、ランチに良く通った海鮮の旨い“ノルトゼー”などなど、思い出すときりがありません。
コロナが収束して、これまでのように海外が自由に行き来できるのはいつになるのでしょうか。古稀を過ぎても長時間のフライトに耐えられる体力を維持せねばなりません。それには日々の健康が欠かせないでしょうね…
音楽のある暮らし・3『森 麻季』心落ち着くハートフル・ソプラノ [コンサート]
森 麻季さんのソプラノが大好きです。我が家のレコード・ライブラリーには3種類のアルバムがあり、今もCDを聴きながらこの記事を書いております。(写真はすべてエイベックス社製のCDジャケットです)
コロナの感染者が驚くほどの速さで拡大する中で、心が癒される響きのある歌声が落ち着きを取り戻してくれます。
中でもお気に入りはモーツアルトです。モテット≪喜べ躍れ、幸いなる魂よ≫K165と、≪ハ短調ミサ曲≫K42はなんと美しくて優しい歌声なのでしょうか、惚れ惚れしてしまいます。教会の大聖堂の中で是非とも聴いてみたいものです。響きも凄いでしょうね。


オペラのアリアとしては、プッチーニの≪ラ・ボエーム≫から「ムゼッタのワルツ」と、同じプッチーニの≪ジャンニ・スキッキ≫から「私のお父さん」のたった2曲しかありません。


以前、トリノ国立歌劇場来日公演でこのムゼッタを演じた時は観たくて観たくて仕方ありませんでしたが、どうしても時間と懐の都合がつかずに断念をしてしまいました。これは今でも残念な出来事ナンバーワンです。艶と張りのあるソプラノに、外国人に劣らない背の高さで、モリ・ムゼッタは大好評だったのに…。多少無理をしてでも行けば良かったと悔いの残る人生を送っております。
手元の最後のアルバムは日本の歌曲集です。昔小学校や中学校で習った歌に、時代を超えた新しい曲を加えて日本を演出しております。懐かしいやら、わくわくドキドキするやら、自分が日本人であることをあらためて感じさせてくれる選曲&歌声です。


総じて “ブラボー!” です。森 麻季さんのファンで良かったと、感謝したいほどです。あと手元にないのは肝心なオペラ・アリア集です。コロナの感染予防をしっかりしながら買いに行きます。
先日、サントリー美術館のミュージアム・ショップで見つけた<アマビエ>です。金色を施した小さな蒔絵ですが、感染予防としてご利益がありますように願うだけです…。

『日本美術の裏の裏』展・サントリー美術館 [世界の美術館&博物館]
リニュアル・オープンしたサントリー美術館を訪れました。


“日本美術の裏の裏”とタイトルにあるように、サントリー美術館が所蔵する名品をただ単に正面からの鑑賞だけではなくて、趣向を凝らして多方面から鑑賞する展覧会です。
まず入館すると、どこからか水の流れる音が聞こえてきます。正面には今回のロゴ・デザインに使用されている江戸時代の円山応挙の一幅 “青楓瀑布図” が展示されており、水の効果音に納得です。
次は “空間をつくる” コーナーです。重要文化財の屏風が展示されている部屋は襖から入ります。

床面に飛びまわる蝶々のシルエットが投影されたり、心がウキウキして笑みがこぼれるこれまでになかった演出が随所に施されておりました。
“和歌でわかる” コーナーには、一見不思議なポップが吊り下げられて反転した文字が写し出されています。

コロナ対策のソーシャル・ディスタンスはこんな感じです。

ほかにもコーナーは、“小をめでる” “風景にはいる” “心でえがく” “景色をさがす” とあり、まったく飽きません。見せ方に驚き、展示作品の質の高さに驚き、タイトル名に納得!です。

知ったかぶりをして、薀蓄を述べて、お高く留まっている、そんな感じはまったくありません。これが本来の美術・芸術を楽しむ方法なのでしょうか。楽しみながらも充実した時間でした…
音楽のある暮らし・2『子供のバイエル』ミニノートで再会! [コンサート]
銀座山野楽器店で珍しいものを見つけて衝動買いをしてしまいました。
ピアノの教則本『子供のバイエル』を模したミニノートです。12㎝×8.5㎝ほどで見た目は本物と変わりなくて1冊220円ほどでした。

実際の教則本と比較するとこのような大きさです。

後ろ側のボロボロは私が実際に使用したものです、もう65年近くも昔の事ですが…。
生まれた家の隣はピアノの私塾で、歩き始めると毎日のように遊びに行っておりました。見かねた両親は幼稚園に上がると同時に正式に習わさせてくれました。
手元には当時の『子供のバイエル 上巻』が宝物として残っており、各ページには思い出がギッシリ詰まっております。半世紀にわたる汚れも一緒に…


音符に番号を付けたり、色別にしたりして、鍵盤と結び付けながら弾いておりました。

このページの右上、×印をよく見ると鉛筆書きで31.3.18の数字が見えます。先生のメモでしょうか、昭和31年3月18日と読み取ると、私が5歳になったばかりの春で幼稚園児です。




“明けましておめでとう”は、いつのお正月だったのでしょうか?

通園していた幼稚園の講堂で記念すべき1回目の発表会が行われました。最前列ど真ん中の男の子が、幼稚園児の私です。64年前に撮影された貴重な一枚です。この子たちがコロナに負けていないことを願っております。
先生が引っ越されて自然とピアノの教則は終了しました、小学校4年生でした。そのために真っ黄色の『子供のバイエル 下巻』には進んでおりません。山野楽器店にはそれもありましたが、思い出が詰まった赤い上巻だけを購入しました。
このクララピアノでの体験が音楽好きの私に育ててくれました。70近い年寄りになった今でも暮らしの中に音楽があります。毎日、音を楽しんでおります…
音楽のある暮らし・1『イル・ヴォ―ロ』新世代の若き三大テノール [コンサート]
新型コロナウイルスの感染が止まりません。10月末現在東京では累計で3万1千人を越えました。住んでいる区では感染者は毎日発表され、感染者ゼロの日は記憶にありません。その累計数は東京23区の中でトップ5位以内を常時キープしており、区民10万人に対する感染者は193人にのぼります。GO TOトラベルで地方への旅行は考えてしまいます。多方面に渡り困窮している皆様に支援するお手伝いはしたいももの、快く都民を受け入れてくれるのでしょうか?
そんな中で一番の楽しみは大好きな音楽を聴くことです。多種多様な音楽に興味を持っておりますが、この夏前から『イル・ヴォ―ロ』にはまっています。イタリア語で “The Flight”(飛行)の意味で、世界へ、未来へ、はばたき飛んで行くイメージだそうです。
計4枚のアルバムを購入しておりますが、先月ようやく手にしたのがデビューCDです。タイトルも『IL VOLO』そのものです。(ジャケット写真はユニバーサルミュージック UICY15594です)

おもわず笑ってしまいました、「えッ、なにこの男の子たち?」。2010年のCDデビュー当時はこんなに幼かったのですね。
ちなみに写真左から、メガネのピエロ・バローネ、シチリア出身の93年6月24日生まれで当時17才、
中央のなんとなく嵐の松潤風はジャンルカ・ジノーブル、アルブッツォ出身の95年2月11日生まれで当時15歳、
右のポッチャリはイニャツィオ・ポスケット、ボローニャ出身の94年10月4日生まれで当時16歳。
次のCDは2015年にリリースされた『IL VOLO GRANDE AMORE』のジャケットです。(ソニー ミュージック エンターテイメント SISP 5643)

左からジャンルカ(松潤)、イニャツィオ(ポッチャリ)、ピエロ(メガネ)です。たった数年でこれほどの大人になってしまいました。世界中の女性が騒ぎ立てるのは無理ありません。
手元のアルバムの中で一番のお気に入りが2016年にイタリア・フィレンツェのサンタ・クローチェ広場で開催されたLIVEを収録した『IL VOLO Notte Magica 三大テノールへのトリビュート』(ソニー・ミュージック・エンターテイメント SICP 5194~5)です。プラシド・ドミンゴやパヴァロッティ財団の協力のもとに行われたコンサートで、2万人の聴衆を前にして三大テノールのステージを再現しております。歌声だけを聴いていると三大テノールのそれと区別がつかないほどです。

イル・ヴォ―ロの三人は2009年、14歳、15歳、16歳当時にイタリアで大人気のオーデション番組にそれぞれ別々に出演して大絶賛を浴びて、番組のプロデューサーが三人でのトリオを発案して、番組内で “オー・ソレ・ミオ” を熱唱。さらにそれを見ていたイタリア音楽界の大御所プロデューサーがアルバムの制作を決定して、ビートルズで有名なあのアビーロード・スタジオでレコーディングされたのが最初に紹介した『IL VOLO』です。
学校で声楽を学んだわけでもなくてただ単に歌好きの少年だった三人ですが、リリースされたアルバムを聴くほどに歌がうまくなっていくことに気づかされます。
アンドレア・ボチェッリを彷彿させるジャンルカ、繊細な表現力のイニャツィオ、圧倒的な声量で見事なベルカント唱法のピエロ、安心して聴ける三人の歌声にもうしばらくはまりそうです。
昨年、2度目の来日公演の記念に発売されたのが『IL VOLO Musica~愛する人よ』です。(ソニー・ミュージック・エンターテイメント SICP 6090)

以上の4タイトルが手元にありますが、昨年にもう一枚デビュー10周年を記念したBESTアルバムも発売されたそうで、早速買いに行くつもりです。シニアのアナログ人間で、ネット配信よりもCD派なので…
『国立西洋美術館・常設展』長期休館に伴って… [世界の美術館&博物館]
東京上野の国立西洋美術館は10月19日から長期の休館となっています。

休館となる前日10月18日に“常設展”を鑑賞してきました。
これまでかなりの回数観ておりますが、今後一年半にわたって見られないと思うと何故か無性に寂しくなって慌てて行った次第です。

日曜日でもあり企画展の“ロンドン・ナショナル・ギャラリー展”の最終日と重なり、思っていた以上に込み合っておりました。
“常設展”は大人500円、65歳以上のシニアは無料です。(ラッキー!、やったね!)

コロナの時代、これも想い出になるでしょう。

会場内の展示作品と同時に建物その物や中庭の彫刻作品なども充実しており、西美は見どころ満載です。


さらに常設展では写真撮影がOKです。一部の作品とフラッシュ撮影はダメですが…。

私の大好きなミレーの“ダフニスとクロエ”です。

古代ギリシャのラブストーリーで、主人公のふたりは幼くてダフニスくんは15歳、クロエちゃんは13歳です。ミレーにしては明るい色調でふたりの純粋無垢感がもろに伝わってきます。
ラヴェルが作曲した交響詩“ダフニスとクロエ”とそれをもとにしたバレエ作品が有名ですが、私はこのミレーの絵画が大好きです。西美の本館と新館をつなぐ2階の渡り廊下のような場所に展示されており、一時期展示替えのため撤去された時は寂しい思いをしましたが、今回戻っておりじっくりと鑑賞させていただきました。次に会えるのは一年半後でしょうか? それまでさよならです。
今回の会場には新規に購入されて作品が数点ありました。当然観るのは初めてです。
中でも驚かされたのが、モネの“睡蓮、柳の反映”です。
高さ約2m、延長約90mを越える壮大な“睡蓮”の一部分を、水面に映し出されて反転した画面を描いたものですが、長年に渡り行方不明でしかも大半が破損しております。
ルーブル美術館で偶然に見つかり、当時の持ち主である松下コレクションに返還され、西美に新規寄贈されたものだそうです。

画面は一目見て何が何だかわからない状態です。
モネの全作品を学習させたAIに修復再現させた映像が、作品右側のモニターに映し出されておりました。
納得です、モネの“睡蓮”に間違いありません!
最先端の技術で古典作品が見事に蘇り、感動してしまいました。

久々に秋晴れとなった日曜日の午後、日本に居住権と永住権を持つ海外の素晴らしい美術品の数々を存分に楽しませていただきました。
ただひとつ、これも私が大好きなブリューゲルの“雪中の狩人”を見忘れました!
残念ですが、一年半のお楽しみにとっておきましょう…


『ロンドン・ナショナル・ギャラリー展』国立西洋美術館 [世界の美術館&博物館]
2004年4月に夫婦ふたりでロンドンを旅しました。5泊7日の日程で、昼間は『大英博物館』『ロンドン・ナショナル・ギャラリー』『マダム・タッソーろう人形館』などの美術館を巡り、夜は『マンマ・ミーア』『チキ・チキ・バンバン』『レ・ミゼラブル』などロンドン産のミュージカルを楽しむ旅でした。
それから16年、『ロンドン・ナショナル・ギャラリー』の名品61点が来日公開されると知り、大喜びをして絶対に見に行くと決めていましたが、開幕直前にコロナの影響で美術館そのものが閉館されてしまいました。コロナの収束がわからずにその後の開館予定もわからない中、しばらくして会期変更が発表されました。現地美術館と大掛かりな協議が行われたものと思われます、長期間に渡り日本に留め置かれて返還の時期もわからない状態でしたから…。会期の変更決定までには多くの関係者の方々のご苦労があったことと思われます。感謝の言葉しかありません。
東京での延期された公開期日の終了が迫る10月8日、あいにくの雨模様ですが会場の国立西洋美術館へ出かけました。(写真は向いの東京文化会館から撮影)

当初は3月3日から6月14日までの会期でしたが、丸々3ヶ月以上遅れての開催です。


コロナ対策のためにチケットはオンラインのみの発売で、しかも日時指定で入場時間が制限されております。

入場者数が制限されているために混雑は無くて、ゆっくり鑑賞できます。
メイン・エントランスの装飾には驚かされました。ロンドンの雰囲気です。




来日した61点すべてが名画です。教科書や美術書に掲載されている作品ばかりです。
私たちにとっては、16年前の現地ロンドンで鑑賞した記憶が蘇ります。
年齢が重なり、見る眼も変わり、見かたも変わり、一味違う感激に浸されました。



海外の大きな美術館では途中、ティー・タイムの休憩を含めて4時間の鑑賞が精一杯です。それ以上は疲れて何を見ているのかわからなくなります。
ナショナル・ギャラリーでもそうでした。疲れたからもう帰ろうと出口に向かったところ、最後の最後、出口直前の壁面に展示されていたのがゴッホの“ひまわり”で、疲れも忘れて見入っていたことが思い出されました。
今回の西美でも会場の最終壁面で“ひまわり”が光り輝いており、ロンドンと同じ演出で感激してしまいました。
映画館やお芝居の舞台そして美術館など大好きで、今では生活の一部となっております。少しづつですが制限が緩和されてきましたが、オンラインの日時指定など煩わしい手続きをしなくてもいつでも気楽にふらっと行きたいものです。まだまだ時間がかかりそうですが、首を長ぁ~くしてまっています。年寄りの楽しみなので…
『十月大歌舞伎』歌舞伎座 [演劇・舞台]

10月5日歌舞伎座で『十月大歌舞伎』を楽しんできました。写真は歌舞伎座正面入り口前の大看板です。

鑑賞するのは、第二部の『双蝶々曲輪日記 角力場』です。


コロナの感染予防対策を実施しながら劇場が再開された8月から四部構成で、すべてが入れ替え制での上演です。上演時間は長いもので1時間、短いものは38分、なんと寂しいものか! 観客としては物足りませんが、舞台を観られる喜びにはかえられません…。
歌舞伎座には四種類の緞帳があり、開演前にそれぞれが紹介されます。その内の一枚です。

緞帳紹介が終わるといよいよ開幕です!


第二部を選んだ理由は、まだ中学生だった時に市川染五郎の舞台に出会って以来、松本幸四郎、松本白鸚と、私の舞台鑑賞は続き、高麗屋のファン歴は誰にも負けないものと自負をしております。
加えて現代歌舞伎界の超売れっ子であり、芸達者な中村勘九郎の競演となれば見逃すわけにいきません。
案の定、おふたりのそれぞれの登場では嬉しくて嬉しくて涙が出そうになったほどです。勘九郎さんのエネルギッシュな若さをみなぎらせた登場に対し、白鸚さんは貫禄たっぷりな風格を伴って登場します。大向こうから声が掛けられないのが残念でたまりません。
負け知らずの人気力士(白鸚)と素人相撲上がりの新米力士(勘九郎)が遊女の身請け話で争う内容ですが、歌舞伎界の重鎮と明日を担う新星がぶつかり合い、正に芝居の世界が目の前で繰り広げられているようです。キャスティングの妙ですが、おふたりの演技が最高で、火花を散らす演技とはこのことかと思うほどです。
惜しまれるのは時間の短さです。もっと、もっと観たいのです。50分足らずの一幕見で退場させられてしまうのは残念より悲しくなってきます。生の舞台の感激はほかに例えようがありません。

係員の指示で退場すると、目についたのが来年のカレンダーの宣伝です。

もうこんな季節なのですね。来年はコロナからも解放されて存分に舞台を味わいたいものです…!!
『聖徳記念絵画館』明治神宮外苑 [世界の美術館&博物館]
東京で久々の晴天となった9月28日、明治神宮外苑の『聖徳記念絵画館』を訪れました。最寄りの駅はJRでは千駄ヶ谷か信濃町ですが、我が家からは都営大江戸線・国立競技場駅が便利です。

駅を出ると目の前に完成したばかりの『新国立競技場』が鎮座しておりました。

すぐ隣に『聖徳記念絵画館』があります。私はこれまで“しょうとくきねんかいがかん”と読んでいましたが正確には“せいとく~”が正解です。

秋晴れの中、家族連れやジョギングの人たち数人だけで閑散としておりました。


会館正面から望むと、中央左側に有名な『イチョウ並木』が見えます。
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この絵画館は明治天皇の生涯が描かれた80枚の壁画を展示するためのもので、1919年(大正8年)から7年もの歳月をかけて建てられたものです。

幕末から政府へ、江戸から東京へ、激動の時代に即位した明治天皇の業績が当時の政治・文化・風俗などと共に描かれており、大変貴重な絵画の数々です。

私が生まれたのが昭和26年ですので、昭和天皇、平成天皇、そして令和天皇と共に暮らしをして多少なりともそれぞれの天皇の知識はありますが、明治天皇についてこれほど勉強できたのはこの日が初めてではないでしょうか。
さらに言えば、大正天皇についての知識はまるでありません。学校でも習った記憶もありません。明治45年、大正15年と年数だけで、しいて言えば三島由紀夫の絶筆『豊饒の海』の第1話“春の雪”の舞台になった時代、と言うこと位でしょうか。
多少汗ばむほどの気温で真っ青な空、爽やかな秋日和でした…

『和巧絶佳 令和時代の超工芸』展・パナソニック汐留美術館 [世界の美術館&博物館]
4年程前に上野の東京藝大美術館で開催された“驚きの明治工藝展”を拝見して、その工芸技術にビックリさせられました。明治政府が外貨獲得のために当時の超絶技術を駆使して制作された工芸作品で、輸出用だったために日本国内にはほとんど残っておらず、さらには制作した職人が弟子を取らなかったためにその技術が継承されずに現在では制作不能となっております。
そんな明治工藝の作風を感じさせる展覧会が行われました。

1970年代以降に生まれた作家たち12人、年齢で言えば30代から40代の若さで作り上げた作品が鑑賞できました。


作家の皆さんのプロフィールを拝見すると、工芸職人に直接弟子入りしたり、美術品の修復作業を通して制作の面白さにはまったり、はたまた芸大で基礎を学んでから制作を始めて今では講師となり教える立場になったなど様々ですが、皆さん子供の時からモノ作りが大好きだったようです。


磁器、ガラス工芸、螺鈿に蒔絵、さらにテキスタイルまで、12人それぞれの個性あふれた見事な作品群が展開されます。その精緻で緻密な出来栄えには、驚きを越えておもわず笑みがこぼれてしまいます。
展示された作品ひとつを仕上げるのにどの位の労力と時間を費やしたことか!…、想像を絶してしまいます。先人たちが作り上げた明治工藝品と全く遜色はありません。
12人それぞれの今後に期待と注目です。半世紀後、いや四半世紀後の作品を拝見したいものです。年齢を重ねてどのような作品が登場するのか楽しみでなりません。
しかしながら私のからだがもたないでしょうね、現在70の年寄りですので…。応援はしておりますので今回を越える作品をどうぞ制作なさってください!!

映画『宇宙でいちばんあかるい屋根』丸ノ内TOEI [お気に入りの映画]
NHKのTVドラマ「あさが来た」、「透明なゆりかご」、「蛍草 菜々の剣」などに出演した清原果耶さんの演技力に注目していたところ、初の主演映画が公開されて早速見てきました。(9月14日 有楽町・丸の内TOEI 2)



事前の下調べなど全然ない状態での鑑賞でした。ただ単に清原果耶さんの演技を大きなスクリーンで楽しみたかっただけで…。

邦画としては珍しい実写版のファンタジー作品です。たっぷりと時間と予算を費やした欧米のファンタジー映画のような派手さは全くありませんが、なぜか胸に迫り心に残る作品に仕上がっています。

多感な女子中学生を演じる清原果耶さんは、まるで地を素のままで演じているような透明さがあります。セリフの少ない分を、しっかりとした演技力でカバーしていることが感じられます。
この春に高校を卒業したばかりで、今後は女優業をまい進するそうですが大いに楽しみです!

さらに心が揺さぶられた事は「桃井かおり 健在!」です。ここ久しく桃井かおりさんを拝見しておりません。
実は私と年齢が同じで誕生日はたった二ヶ月しか違いません。来春には70歳になります、考えられない!…
意味深な老婆役は実に最適、年輪が増えてさらにビッグに、いやグレートな「桃井かおり」さんにも拍手喝さいです。
新旧ふたりの“女優力”がスクリーンから伝わる作品です、やはり映画って最高!!…
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