SSブログ

映画 『リンカーン』 [お気に入りの映画]

s-リンカーン・パンフレット表紙.jpg

昨年暮れに予告編を見て以来、待望していたスピルバーグ監督作品『リンカーン』を観てきました。               s-リンカーン・チケット.jpg 

アカデミー賞には作品賞を含む12部門でノミネートされて、最終的にはタイトル・ロールを演じたダニエル・デイ=ルイスの主演男優賞と美術賞の2部門だけの受賞となりましたが、個人的には12部門すべてをあげたいような力作、大作です。                                              これまでのスピルバーグ作品に見られた大掛かりなCG・シーンや派手なアクション・シーンはなく、大半が議会での議論シーンで占められております。共和党と民主党の議員を演じる俳優さんの演技が素晴らしくて、本物の議会場にいるかのような錯覚に陥る程です。                            それらの議論の間に、リンカーンの大統領として、父親として、夫として、など男・リンカーンの姿が描かれていきます。静かに、論理的に、大声を上げることなく、しかも信念を曲げない人間・リンカーンが描かれているのです。長身で猫背気味の容貌に、本物のリンカーンの風格さえ感じられるデイ=ルイスの演技には驚かされてしまいます。アカデミー賞ほか、数々の主演男優賞受賞に納得できます。

リンカーンの身長は193cmだそうで、劇場内には等身大のパネルがありました。                     s-リンカーン・等身大パネル.jpg                                                〈ちなみに、私の身長は170cmです〉

ダニエル・デイ=ルイスの迫真の演技に驚嘆しながら、助演男優賞の候補に挙がったトミー・リー・ジョーンズの演技にも驚かされてしまいます。20年前に映画『逃亡者』で、追跡者となる連邦保安官役を実に格好よく演じて、その後『メン・イン・ブラック』のコミカルな演技、さらに今では缶コーヒーの宇宙人役でテレビCMに出演(最新作は大相撲・高見盛の取り組みの行事役)など、日本のお茶の間でも有名俳優となっておりますが、この映画では役者として本来の素晴らしい演技力を見せてくれます。と言うより、見せつけられてしまい、ますますトミー・リー・ジョーンズのファン度が増してしまいました。 

s-トミー・リー・ジョーンズ 逃亡者.jpg                                     〈トミー・リー・ジョーンズ 1993年『逃亡者』より〉 

                                    s-トミー・リー・ジョーンズ BOSS宇宙人 大相撲編.jpg                                 〈トミー・リー・ジョーンズ 2013年缶コーヒーCMより、共演高見盛〉

                                                             s-トミー・リー・ジョーンズ リンカーン.jpg                                           〈トミー・リー・ジョーンズ 2012年『リンカーン』より〉 

                                                             もちろんリンカーン夫人役のサリー・フィールドも、ほかに役者が考えられないほどの適役です。 久々に心にずっしりとくる映画です。まだまだアメリカにも良心があることが感じられて、日本を含めて全ての政治家に見てもらいたく、また現代の日本の議会政治にも通用する内容にも思われます…

2時間30分、スピルバーグ・ワールドに存分に酔いしれてしまいました…

 


nice!(0)  コメント(6)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 6

ponko310

おお、長編映画ですね。
去年の作品ならドイツのTVでも再来年あたり放映してくれるかもしれません。
トミー・リ・―ジョーンの映画はダブル・ジョパディーやメン・イン・ブラックなど
何度もTVの再放送で見ますが、渋い役の合う顔つきですよね。
この映画、見逃さないようにチェックしておきます。
ちなみにBBC作成の長編ドラマ「高慢と偏見」を見られました?
コリン・ファース主演です。
あれは見なくてはなりませんよ。必須です。
http://www.nicovideo.jp/watch/sm4605882
これはニコニコ動画で質が悪いのですが
日本語なのでウヒウヒしながら満喫させてもらいました。
必須ですよ、BBCの「高慢と偏見」!!!
by ponko310 (2013-05-21 17:12) 

長老純爺

コメントありがとうございます。
このところ仕事が忙しくて返事もできず、コリン・ファースの『高慢と偏見』もまだ見ておりません。ごめんなさい、これから見ます。

ところで、映画はTVやネットで楽しむ派ですか?
私は映画は映画館で楽しむ派です。小学校5年生、10歳の時から映画館に通っております。大スクリーンと見事な音響システムの中に身を置き、ドップリと映画の世界に入り込んで見ています。

パソコンの画面では満足できないし、家のパソコンは音が悪いのです。
最近は携帯電話の画面で楽しんでいる人をみかけますが、私には考えられません。

by 長老純爺 (2013-05-26 11:59) 

ponko310

映画はもちろん映画館での鑑賞が最高ですよね。
迫力が違いますものね。
同じ映画をTVで見るとやはり印象が薄れます。
けれど、TVでも結構のめり込む方ですから私は案外楽しんでいます。
薄型の大きな奴が壁に貼っつけてありますし、音もステレオです。
日本の映画はPCでしか見られません。
コリン・ファースいかがでした?
私はTVで見る為にドイツ語版でDVDを購入しました!
by ponko310 (2013-05-29 08:01) 

長老純爺

ponko310様

BBC版『高慢と偏見』、はまりますね。昨年見たキーナ・ナイトレイがリジーを演じる『プライドと偏見』と比べると、実に丁寧に恋愛関係が描かれており、5時間の長さを感じさせないですね。原作は読んでおりませんが、BBC版の方が原作に忠実なのでしょうね。楽しませていただきました。

コリン・ファースは、シェークスピアの『ロミオとジュリエット』はこうして書かれた…、と描く『恋におちたシェークスピア(Shakespeare in Love)』に出演していたことを覚えております。演技力のあるいい役者ですよね。

またお勧めがあれば教えてください…。
by 長老純爺 (2013-05-29 15:19) 

ponko310

わぁ、ご覧になって下さった。
あの映画、良いでしょう。
同調して下さる方が一人、いえ二人?増えて嬉しいです。
イギリスでもものすごい人気だったそうですよ。
日本語訳も読みましたが、何だかしっくりしません。
私が勝手に訳そうかしら・・・・。
by ponko310 (2013-06-01 19:06) 

サンフランシスコ人

9/28 サンフランシスコにサリー・フィールドが来ます...

http://www.cityarts.net/event/sally-field/


by サンフランシスコ人 (2018-09-16 03:38) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。