SSブログ

映画『黄金のアデーレ 名画の帰還』 [お気に入りの映画]

s-黄金のアデーレ・ポスター.jpg

映画『黄金のアデーレ 名画の帰還』を観てきました。(12月15日 TOHOシネマズ日本橋・スクリーン9)

s-黄金のアデーレ・チケット.jpg

s-黄金のアデーレ:TOHOシネマズ・スクリーン9.jpg

“オーストリアのモナリザ”と言われるグスタフ・クリムトの名画“アデーレ・ブロッホ・バウアーの肖像Ⅰ”。金箔をふんだんに使っているために“黄金のアデーレ”とも言われ、オーストリアの至宝として取り扱われております。

s-黄金のアデーレ・1907.jpg

戦時中にナチスに没収された伯母のこの肖像画を取り戻すため、オーストリア政府を訴えた82歳の女性マリア。駆け出しの新米弁護士と共に戦う姿を描いた実話です。

s-黄金のアデーレ・画像01.jpg

訴えたのは1998年で、2006年に米国最高裁判所で判決が下り所有権はマリアとなります。その後エスティ・ローダーの社長ロナルド・ローダーに譲られて現在はニューヨークのノイエ・ギャラニーに展示公開されております。実は訴えを起こす前年1997年に、ウィーンを旅行したわたしたち夫婦は、べルベデーレ美術館(当時の名称は、19,20世紀美術館)でクリムトの傑作“接吻”などと一緒に観賞しておりました。10数年以上たった今でもその黄金の輝きが目に残っておりますが、その後の裁判沙汰は一切知りませんでした。一枚の絵の裏に、驚くべき真実とその家族の絆に感動してしまいました。計らずも先日、ナチスが略奪した膨大な美術品を奪回するアメリカ軍を描いた『ミケランジェロ・プロジェクト(原題THE MONUMENTS MEN)』を観たばかりで、あらためてナチスの横暴に腹が立ちます。この『黄金のアデーレ』にもナチスの暴挙が描かれており、ウィーン市の全面協力で撮影された当時の様子も見所のひとつです。

美術ファンにとっては必見の映画でしょう。最後にアデーレの肖像画がもう一枚存在しますので紹介します。『黄金のアデーレ』はクリムトが1907年に発表したものでアデーレは25歳、5年後の1912年30歳のアデーレです。この“アデーレ・ブロッホ・バウアーの肖像Ⅱ”には金箔が使われず通常の油絵です。1925年43歳でアデーレは亡くなっておりますので、この時期、ナチスの影響も無く明るく幸せの家庭だった事が絵から感じられます。

s-アデーレⅡ・1912.jpg

ナチスの暴挙のみならず、戦争の悲惨さをもこの映画は訴えかけてくれます。戦争のない平和な日本に生まれて生活していることに感謝しなければなりません。今年もあとわずかとなり、来年も平和で暮らせることを願っております…

 


nice!(0)  コメント(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。