音楽のある暮らし・4『山野楽器』我が家のミュージック・ライブラリー [コンサート]
銀座・山野楽器本店を利用して半世紀以上になります。
小学生の時から日比谷の映画街に通い、社会人になると職場のあった日比谷と銀座に計30年間勤務しておりました。そのお陰で山野楽器店でCDやDVDなどを頻繁に購入しております。子供の時にはサントラ盤がメインで、大人になってからは安価なクラシックの輸入盤も加わりました。
その山野楽器が独自にミュージックCDを制作・販売していることを昨年ようやく知りました。2016年に始まり、昨年2020年までにジャンルを変えて7種類のアルバムが発表されております。情報不足で購入が遅くなりましたが順次我が家に揃えるつもりです。いずれも “銀座” の香りと雰囲気が感じられる逸品となっております。
第一弾で販売されたのがこの “GINZA Classics” です。
ここでの紹介は省略いたしますが、ミュージシャンはすべて超が付くほどの一流の方々ばかりです。
2017年に入って発表された第2弾が “GINZA Feeling~Elegant Music Collection” です。
懐かしさで聞き入ってしまう名曲の数々が収録されております。
この後にシネマやジャズ、バロックなどのアルバムが発表されており、早く手元に欲しいものです。生活の中に音楽はなくてはなりません。コロナ禍で、さらに冬の厳しい寒さの中、我々シニア世代には十分な栄養と睡眠それに上質な音楽が日々必要と思われます。生のコンサートになかなか接することが出来ない昨今、上質な音楽を日々提供してくれる銀座山野楽器店には感謝しかありません、ただし改築後に店内に入りにくくなったことが難点ですが…
(写真はすべてCDのジャケットを使用させていただきました)
ミュージカル『屋根の上のヴァイオリン弾き』2021・日生劇場 [オペラとミュージカル]
久々にステージ・ミュージカルを堪能してきました。(2021年2月8日・昼の部)
見事なアンサンブルに酔いしれてしまいました。
年齢を重ねるごとに生のステージに接する機会が減りました。そのお陰で若い新しいキャストの皆さんを知りません。今回も主役級の方々以外は初めて拝見しますが、舞台に立つだけのことはあって皆さん全員が見事な演技を披露してくれました。
ロシアの小さな寒村のお話を米国で舞台化して日本人が演じているわけですが、これまでは再演を重ねる名作として “プレタポルテ” の感覚でした。それが今回は職人さんが丹精込めて作り上げた “オートクチュール” 感覚に変わりました。半世紀以上にわたり繰り返して上演されているにも関わらずに、初演時のオリジナルティを残しつつ、時代の変化で細部には手を加えたものの、日本人による日本人のための心揺さぶる作品に仕上がっております。職人技で作り上げた、まさに “オートクチュール” の誂え品です。シニア世代の私には余計に感じられるのかも知れません。
特に目を見張ったのが振り付けです。オープニングの村人たちの登場からラストのお別れまで、一挙手一動すべてに振り付けが施されております。演出ではなくて、振り付けなのです。
ダンスシーンのパフォーマンスのみならず、全編において事細かに振り付けが指示されており、キャストの皆さんは見事なアンサンブルを構築して目を見張るばかりです。まさに「ブラボー!」です。
やはり生の舞台は素晴らしいです。昨年は切符も購入して楽しみにしていた『ミス・サイゴン』がコロナで休止となり残念でしたが、今回はしっかりした感染予防対策がとられての上演です。
初めてアナテフカ村に足を踏み入れたのは1967年9月で、当時は16歳の高校生でした。
以来、今月2月1日には70歳を迎えて感慨深いものがあります。
当時のスタッフ、キャストの皆さんの中には、すでに次の世界へ引っ越された方が大勢いらっしゃいます。
半世紀もの時間空間は大きいです。帝劇公演のプログラムに掲載された広告を紹介します。ジャルパックの香港・マカオ4日間は約15万円、ハワイ7日間は当時ひとり約30万円なり…
日立のステレオの約10万円は納得できますが、電子レンジがなんと298,000円もするのです!驚きです…
今でも変わらないのは、生の舞台の素晴らしさです。オペラやミュージカル、お芝居や落語の高座、バレエにコンサート、生で味わえる喜びは何事にも代えられません。そのひとつひとつが心の引き出しを豊かにしてくれます。
50年以上もお付き合いしてきたこのミュージカルは50年後も上演されるのでしょうか? ヴェルディやプッチーニのオペラのようにクラシックとして残っているのでしょうか? 残念ながらその時代には私は観ることが出来ません…
『和宮 江戸へ』展・江戸東京博物館 [世界の美術館&博物館]
江戸東京博物館で開催されている『古代エジプト展』の半券を利用して同博物館の『和宮 江戸へ』展を鑑賞してきました。(1月30日)
皇女和宮が江戸の徳川家へ嫁ぐ際に持参した品々や身の回りの日常品の数々を展示・鑑賞できる展覧会です。
天皇の娘・皇女が侍の徳川家に嫁ぐ異例の出来事は、御所と武家の橋渡しをしたことで歴史に大きく残されております。しかも嫁いだ先の徳川家14代の家茂は婚礼後まもなく21歳で亡くなってしまい、その後の和宮様の苦労はどれほどのものだったか計り知れません。
80代まで天命を全うされた和宮様ですが、その人生で実際に使用された品々が展示されております。天皇家と徳川家ですから当然のことながら、我々一般庶民には手の届かないほど最高級品仕上げとなっております。当時、平民では見る事も出来なかったことでしょう。ただただ、見事と言うほかに言葉はありません、全てにおいて…。
気になったのは、京から江戸への道中です。各地から江戸へ上る参勤交代ですら殿様を含めての大行列ですから、それ以上の警護と行列になったことでしょう。展示の解説を読むと、道具としての婚礼品の数々が嫁ぐ皇女とは別に運ばれて17日間を要したとありました。皇女様の御駕籠はそれとは別で、道具類以上に慎重な警備・警護がされたはずです。いったい江戸まで何日かかったのでしょうか、今では新幹線でたったの3時間ですが。
かなりの大人数による行列隊と思われます、途中の宿泊や食事などどのようにしていたのでしょうか、トイレを含めて…。膨大な費用だったことでしょうね。これこそ想像を絶します!
1枚、京鴨川の橋を渡る行列を描いた図がありました。やっぱりね、との感じです。
別世界へ足を踏み入れた思いですが、まだ100年とか200年とかその程度の前の出来事です。今、現在の方がよほど別世界でしょうか、コロナ禍の真っただ中で…。
『古代エジプト展』江戸東京博物館 [世界の美術館&博物館]
1月20日、JR両国駅のホームへの階段です。
この日、両国国技館では大相撲初場所が開催中でしたが、コロナの影響を含めて幕内力士17名が休場するなど異例の場所となりました。しかも両横綱も不在です!…
両国へのお目当ては国技館に隣接する『江戸東京博物館』です。
『古代エジプト・天地創造の神話』展を鑑賞してきました。
ここでもコロナの影響を受けて閑散としています。
入館者は少なくても展示品は約130点余りでとても充実しております。良くこれほどまでの物を運んだと感心する大型の物からものから、手のひらに乗るような小型のものまで多種多様です。興味のある方にはたまらないでしょうね。
以前、ロンドンの大英博物館やニューヨークのメトロポリタン美術館などでかなりの遺品を拝見しましたが、ベルリンにもこれほどのものがある事を知りませんでした。本家本元のエジプトのカイロ博物館にはどれほどの展示品があるのか想像に絶します。
古代エジプトの神話では、すべてのものが海から生まれて、海に帰るそうです。神話に登場する神の化身アヌビスが、各コーナーで映像を駆使して解説してくれます。新しい解説と表現方法で、納得してわかりやすかったです。
美術館、美術展は心に残ります。心と知識の引き出しがまたひとつ増えた感じがします…