『国立西洋美術館・常設展』長期休館に伴って… [世界の美術館&博物館]
東京上野の国立西洋美術館は10月19日から長期の休館となっています。
休館となる前日10月18日に“常設展”を鑑賞してきました。
これまでかなりの回数観ておりますが、今後一年半にわたって見られないと思うと何故か無性に寂しくなって慌てて行った次第です。
日曜日でもあり企画展の“ロンドン・ナショナル・ギャラリー展”の最終日と重なり、思っていた以上に込み合っておりました。
“常設展”は大人500円、65歳以上のシニアは無料です。(ラッキー!、やったね!)
コロナの時代、これも想い出になるでしょう。
会場内の展示作品と同時に建物その物や中庭の彫刻作品なども充実しており、西美は見どころ満載です。
さらに常設展では写真撮影がOKです。一部の作品とフラッシュ撮影はダメですが…。
私の大好きなミレーの“ダフニスとクロエ”です。
古代ギリシャのラブストーリーで、主人公のふたりは幼くてダフニスくんは15歳、クロエちゃんは13歳です。ミレーにしては明るい色調でふたりの純粋無垢感がもろに伝わってきます。
ラヴェルが作曲した交響詩“ダフニスとクロエ”とそれをもとにしたバレエ作品が有名ですが、私はこのミレーの絵画が大好きです。西美の本館と新館をつなぐ2階の渡り廊下のような場所に展示されており、一時期展示替えのため撤去された時は寂しい思いをしましたが、今回戻っておりじっくりと鑑賞させていただきました。次に会えるのは一年半後でしょうか? それまでさよならです。
今回の会場には新規に購入されて作品が数点ありました。当然観るのは初めてです。
中でも驚かされたのが、モネの“睡蓮、柳の反映”です。
高さ約2m、延長約90mを越える壮大な“睡蓮”の一部分を、水面に映し出されて反転した画面を描いたものですが、長年に渡り行方不明でしかも大半が破損しております。
ルーブル美術館で偶然に見つかり、当時の持ち主である松下コレクションに返還され、西美に新規寄贈されたものだそうです。
画面は一目見て何が何だかわからない状態です。
モネの全作品を学習させたAIに修復再現させた映像が、作品右側のモニターに映し出されておりました。
納得です、モネの“睡蓮”に間違いありません!
最先端の技術で古典作品が見事に蘇り、感動してしまいました。
久々に秋晴れとなった日曜日の午後、日本に居住権と永住権を持つ海外の素晴らしい美術品の数々を存分に楽しませていただきました。
ただひとつ、これも私が大好きなブリューゲルの“雪中の狩人”を見忘れました!
残念ですが、一年半のお楽しみにとっておきましょう…
2020-10-27 05:00
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